秋の将棋入門

私の住む地域では、小中学生を対象にした将棋入門という講座が、毎年秋に青少年センターで開催されています。

日本将棋連盟から講師をお迎えして、将棋の基礎を教えていただき、その楽しさを学ぶ講座です。

娘は小学1年生の時から、ほぼ毎年参加していて、今年も参加してきました。

私も保護者として、見学させていただきました。


毎年、女の子の参加が少なく、1人か2人くらいだったのが、今年は5人くらい来ていて少し増えたなあと思いました。

あと、低学年がほとんどで、6年生の娘が大きくて目立っていたなあ…と。


講座が始まって、まず一番最初に教えていただいた事は、「あいさつ」です。

講師の先生から、3つのあいさつを教えていただきました。

「よろしくお願いします。」

「ありがとうございました。」

「負けました。」

この3つです。

将棋は礼に始まり礼に終わるゲームと言われています。

将棋を指す時には、謙虚な姿勢で、対戦相手を敬う気持ちが一番大切なのです。


この講座では、将棋がそこそこ強い子、今日初めて学ぶという子、家で矢印のついた駒を使って、将棋を覚えたばかりという子、などがいました。

なので、あいさつの次に学ぶ事は、駒の動かし方です。

駒の動かし方、将棋で使われる言葉、禁じ手などの基礎的な事を一通り学んだあと、飛車と角だけで王を捕まえる方法を、みんなで考えるというゲームをしました。

みんなイキイキと自分の意見を出し合って、とても楽しそうでした。

いろんな意見が出た後で、1人の男の子が正解しました。

ですが先生が教えてくれた正解は、その男の子とは違うやり方で、「そのやり方もあるか。」と、ひとこと先生がおっしゃっていたのが印象的でした。

答えは1つではなく、いろいろな可能性が秘められているのが将棋の魅力だと思うからです。

ちなみにこの問題で王を早く捕まえるコツは、「王を逃がさないようにする事。」だそうです。

すぐに捕まえようとして、王手ばかりかけても逃げられてしまうのです。


このようなゲームで盛り上がったあと、最後に参加者同士で対戦をしました。

対戦するのは大体同じ強さの者同士なのですが、たまに小さい子でも、すごく強い子がいたりしてビックリします。

以前、娘がそういう子に負けてしまい、ちょっと心が折れていました。

今年は、小さいけど、そこそこ強い子と対戦して、どうにかこうにか勝てたみたいです。

とりあえず娘の心が折れずにすんで良かった…。と、思う一方で、私はこうも思うのです。

自分でいろいろ駒の動かし方を考えて、勉強して覚えた事を試してみて、真剣に取り組んだなら、それで負けてもいいんじゃないかと。

勝ち負けよりも大切な「学ぶ」という事がそこにはあるんじゃないかと。


子どもにとって、一番身近な親が、一緒に将棋をしてくれる事が、楽しく上達できるコツだと思います。

私と娘が対戦する時は、すごくいい加減です。

途中でお互いの場を交換…、私の手と娘の手を交換して対戦するという事をしてみたり、「ちょっと待って」や、「やっぱり止めてこっちにする」は、当たり前です。

「それだと王を取られるよ」と、親切に教えあったりもします。


関係ないけど、場の交換って、ちょっと「ひふみんアイ」みたいじゃないかなあ?…なんて私は勝手に思ったりしています。

みんながみんな藤井聡太くんのような天才じゃなくてもいいと思います。

将棋って、指し方でその人の性格も分かるような部分があり、私にとってはそういうところも魅力です。

将棋入門に来た子ども達も、将棋の楽しさを知って、どんどん覚えて、将棋の楽しさが広まっていくと良いなあと思います。