猫の本

町田康さんの「猫にかまけて」を読みました。

マチダさんはロックな人なので、文章もロックを思わせる流れを感じる読みやすさがあります。
加えて「猫だいすき!」の気持ちがあちこちに見受けられ、読んでるこちらも微笑ましい気持ちになります。

でも、ヘッケという猫のエピソードには胸が詰まりました。
むうちゃんを思い出さずにはいられなかったからです。

「こうなると分かっていたら仕事なんかしなければ良かった。」とは、すごく共感できました。
こういう事を体験すると、人は同じように思うものなのだなあと思いました。

この間、むうちゃんの気配を感じました。
その事を家族に話したら哀れみの視線を向けられましたが、むうちゃんの気配を感じたのはその時だけです。

きっとむうちゃんは、可愛いけれども病気がちだった身体から解放されて安らかな魂だけの存在になったのだと思います。

あの気配は、最後の「さようなら」を言いに来たのかなと思っています。